息が詰まりそうな毎日。

自分だけの空間のこの部屋ですら、勉強をしなくちゃいけない圧迫感で押しつぶされそうになる。


こんなわたしが恋をする余裕なんて、とてもじゃないけど今まではなかった。

しちゃいけないんじゃないかと、心のどこかで思ってた。


だけど、少しくらいいいよね?

みんなしてるもん。みんな楽しそうだもん。


わたしだって、恋してみたい。人を好きになってみたい。


他の女の子のように、家庭のことじゃなく好きな人のことで悩んでみたいの。家の外では幸せでいたいの。


友達といても楽しくて幸せだけど、友達だって彼氏ができるとそっちを優先するようになる。

そんな風になってしまうほど、恋って楽しいんでしょ?夢中になれるんでしょ?


わたしも、そんな気持ちになってみたい。


……さっき深瀬くんと話したことが妄想の出来事のように、この家にいると現実味がない。


肩の痛みも消え去ってしまった。


でもなんとなく楽しかったな。

恋する気分、少しだけ味わえたかも。って、会話という会話はしてないけど。


ダーリンって呼ぶだけで好きになれてる感覚だよ。


明日、学校に行くの楽しみだな。

このままだと本当に深瀬くんのことが好きになれそうな気がする。


深瀬くんのこと、もっと知りたい。


もっともっと、彼に本気で恋をしたい。