「言っておくが、容赦はしないからな」

「当然であろう」

近衛騎士団に入った時のこと、三節棍を託された時のこと、紅蓮の剣術指南など、祥に訊かれ包み隠さず話した。

「で、凛音のことはどう思ってる?」

「はっ!?」

不意打ちだった。

「あんなに華奢なのに、出るとこ出て絞まる所は絞まっていて、優しいし出しゃばらないし良いよな」

露天風呂を出て行く時の、タオル1枚纏った姿を思い出し、胸がドキドキしていた。

いつも側にいる凛音をどう思っているかとか、考えたことなどなかった。

朝、起こされたり起こしたりし、食事も共にするし、鍛錬の相手もする。

何処に疵があり、何処に痣があるかも、食べ物の好き嫌いも、苦手なモノも知っている。

365日、凛音とは1日中殆ど一緒にいる。

意識する方がおかしい、凛音は側にいて当たり前の存在だ。