「とは言っても、お客さん見たことないんだよなぁ…」 そう、兄の手伝いをしてたとはいえ、お客さんを見たことがない。 「本当に来るのかなぁ…」 そう言いながら窓の外を見る。 この郵便局が普通じゃないのは分かってる。 ここと天国を繋いでいる。 丘の上に建っているけど、普通の人には青空郵便局は見えないらしい。 天国にいる人に思いを伝えたいと強く願う人だけ見えるらしい。 でも青砥家は例外だ。 青砥家は霊が見えて、しかも話すことができる家系だ。 だから青砥家が代々経営してるというわけ。