「三上の家ここだから‥‥じゃ。」

そう言って来た道を戻ろうとする椎名くん。

「も、もしかして‥‥家近くじゃないの‥‥?」

三上くんの家にたどり着くまで、学校前を通っているバスに乗り、駅まで行って、電車にのって3駅くらい行ったところだろうか‥‥。かなり遠かった。しかも、椎名くんは

「アンタ徒歩通学だろ?」

と言ってバス代も電車代も出してくれた。また今度なにか奢ろう‥‥。

「俺、幼馴染みだけど引っ越したから今はこの辺じゃねーだけ‥‥。じゃーな。三上のこと頼んだからな‥‥」

そう言って私の頭に手を乗せてポンッと叩くと来た道を戻って行った。
三上くんの家はかなり大きめの家で、和風な感じだった。三上くん、ホストとかしてるし、あの容姿だからてっきり洋風の家かと思っていた‥‥。

私はインターホンを鳴らすとピンポーンと当たりに響き渡る

「はーい‥‥」

ガラガラっと昔ながらの引き戸の音が開く音がした。

「っ‥‥あ、朝山さん‥‥!?」

あぁ‥‥やっと聞けた。

三上くんはとても驚いている。

「‥‥三上くん勝手に押しかけてごめんなさい。」

勝手に来たから一応謝っておかないとね‥‥

「‥‥!ま、まぁ、上がってよ。家綺麗じゃないけど気にしないで。」

そう言って招き入れてくれた。おそらくね、私の顔みて返すとまずいと思ったのかな‥‥?

「うん、ありがとうございます‥‥」

だって私泣いてるもの。