私はその男の子の跡をついて行くと、屋上へ着いた。

「あの‥‥」

「俺の名前しってるー?」

「へっ?い、いえ‥‥」

同じクラスで、とてもイケメンと騒がれた男の子なのは知っているけど、よく思えば私って、真希と暦と三上くん以外名前知らないかも‥‥。自分最低じゃんっ!

「‥‥はぁ。俺は椎名翼。(しいなつばさ)」

「し、椎名くん‥‥ご、ごめんね。」

本当に自分最低だよぉぉ‥‥。

「別に‥‥。俺、アンタに聞きたいことあるんだ。」

「私に‥‥?」

「アイツのこと、好きなの?」

「えっ‥‥」

アイツって三上くんのことかな‥‥

「三上だよ。アイツのこと好きなの?」

そう言われると顔が熱くなるのがわかる。

「顔真っ赤。図星か(笑」

「ち、違います!私好きじゃ‥‥」

そう言葉を言おうとすると私の唇に椎名くんが自分の指を当てた。

「俺、狙ってもいい?アンタのこと。」

「‥‥!?」

「俺好きだったんだよ?なのに、アンタの目線の先は三上。でも、今三上はいないからアンタの目線の先には何もない。俺にとってはラッキーチャンスってな訳。」

「‥‥私って、そんなに三上くんのこと見てたんですか‥‥?」

「‥‥そーだね。引くぐらい?かな。」

私はもっと顔が熱くなる。好きでもないときから三上くんのことずっと見てただなんて‥‥。

「なぁ‥‥どう?俺は三上みたいに意地悪なんてめんどくせぇことしねぇし、大切にする。」

私は、椎名くんが自分のどこが良くて好きと言ってくれているのかわからないけど‥‥

本当のこと、言わなくちゃ‥‥


「‥‥椎名くんはかっこいいです。」