とりあえず教室へは戻ってこられました。教室へ帰ると

「琴!大丈夫?もう元気になったの?」

「えっ‥‥」

「あんた保健室いたでしょ?ほら、ノート。見せてあげるから写しな。」

「あ、ありがとう‥‥!」

どうやら私は保健室で休んでいたことになっているらしい。三上くん‥‥保健室の先生に何をしたの。

一方で三上くんは生徒指導の先生に怒られていた。そういやなにか最後に言っていた気がする。小さくて口元しかわからなかった。

「紅音くんまた怒られてるねぇ。」

クラスの女子からそういう話し声が聞こえてきた。

「嘘つけばいいのにね。成績優秀者なら信じてもらえそうじゃない?」

「わかるー」

きっと彼は嘘はつかない。

「でも、紅音くん。結構嘘つきだよね。」

「そうだよね。悩みなんてないって言ってるわりには難しい顔よくしてるし

一最近彼女いるって噂でてるよね。」

‥‥!?

「知ってるよ。瑞月(みつき)さんでしょ?」

‥‥みつき‥‥さん?

「あの人美人だよねぇ。なんかお似合いカップルって感じ!」

「紅音くん好きな子には意地悪しないタイプなんだって。」

「じゃあ朝山さんは"違う"のかな。」

「朝山さんは"ただの暇つぶし"なんじゃない?知らないけどw」

‥‥暇つぶしかぁ。

私と三上くんは秘密を持ってる


ただそれだけ。

「三上くんのことだもん。彼女なんてただの仮言葉だよね‥‥(ボソッ」

私はガタンっと椅子から立ち上がる。

「え、琴?また体調悪くなったの?」

「ご、ごめん。今日は早退するね。先生にも言っといて!」

「あ、あぁうん!お、お大事に‥‥」

クラスの友達と別れると、私は一目散に走った。

どうしてかなぁ。

なんでかなぁ‥‥

「三上くんのこと‥‥好きじゃないのになぁ‥‥?」

私の視界はぼやけていた。

そんなのわかってる。

きっと泣いてるんでしょ‥‥?


「嘘つくのなしって言ったの裏切らないですよね?‥‥紅音くん。」