大悪魔さんのターゲット。

「さ、着いたよ。」

着いたと言ったのは、私が前に男装を外すときに使っていた校舎裏のフェンス。少しそこのフェンスが低いんです。

「よっと。」

三上くんは軽々とフェンスを越えて、学校内に入る。

「ほら、手。伸ばして?」

私はコクリと頷くと、三上くんが手を掴む。

「ぅ‥‥い、痛い‥‥」

私は三上くんに手を引っ張られたのだけど、自分の力で上がることが出来なかった。

「‥‥仕方ないね。」

そう言うと、フェンスからシュタッと下りてきて、私を

「わ、ちょ、み、三上くん!?」

「二回目でしょ?慣れなよ(笑)」

お姫様抱っこなんてされたこと、三上くんにしかない。でも、三上くんはフェンスを飛び越えると私を優しく下ろしてくれた。

「慣れたら三上くんのこと好きみたいじゃないですか‥‥」

「えー?別にいいんじゃない?

俺、琴ちゃんから好きなんて言われてないし。

彼氏の俺に言わないとか‥‥ねぇ?(黒)」

「悪魔に好きなんて言えるわけない!!」



はっ、こ、声にでてた‥‥