さすがに恥ずかしさが頂点に達するので、街中ではお姫様抱っこをやめてもらった。

「こっちだよ。」

三上くんが指を指すのは、前に契約を結んだ路地裏だった。

そして、路地裏にある一つの扉へと手をかける。

「ちょ、三上くん勝手に開けちゃダメじゃないですか‥‥!?」

すると、扉の向こうには

「‥‥っ、紅音。またさぼりか?」

「その女の子この間の‥‥めっちゃ可愛いじゃん。」

「うん。さぼりだよ。で、この子は琴ちゃん。」

まただ。三上くんはたまに朝山ではなく、琴ちゃんと呼ぶ。

「こ、こんにちは‥‥」

私は一応挨拶。いくら何でも失礼だからね。

「俺はここのホストのイツ!よろしく!」

「俺はセイ。‥‥よろしく」

そう、私は知ってた。この間の契約のときに知った三上くんの弱み。




三上くんはNo.1ホストのアカネだそうです。