「み、未来………ハァッ……まじ、助かった……っ」
「口調がテツさんになってるよ、あんた」
膝に手を当てて息を整える。
未来はあたしの背中を撫でてくれてる。
「…っ!テツは!?テツ達は!?」
「ちょうど前の試合が終わりそうだからって、出入口前で待機してるよ。
そろそろ会場入ってアップする……って澪!?」
未来の言葉を最後まで聞かずにまた走り出す。
この体育館はテツの試合を見に何度も来てるから、マップは頭の中にある。
体育館の出入口に見慣れた猫背の巨人を見つけた。
「……て、テツ!!」
「…兼ちゃん、澪の幻聴が聞こえる……俺を呼んでる」
「鉄也。幻聴じゃないから、後ろ後ろ」
テツと兼田先輩が何言ってるか分からないけど、きっとあたしが来たことをテツに教えてくれてるんだと思う。
テツはあたしを視界に入れるとわずかに目を丸くした。
「お!救世主の澪ちゃん来たぞ!」
「やっと来たかー!鉄也を何とかしてくれ!澪ちゃん!」
反塚先輩と成宮先輩にそれぞれ片方ずつの肩を掴まれて懇願される。
あたしはあたしをじっと見ている木嶋先輩を見た。



