こいつ、俺の嫁。





「…あの……そろそろ練習した方が……」


「兼ちゃーん。先生呼んでるとか嘘ついたろ?
嘘はよくな……あり?なんか騒がしいな」




来てしまった。
ここに出くわしてはいけないテツが。




テツに気付いた反塚隊こと反塚先輩と成宮先輩がテツのところに駆け寄る。




「テツ!見ろよ、これお前の嫁の澪ちゃんがくれたんだぜ?
ほんとお前の嫁はできた嫁だな!」


「羨ましいぞテツ!俺にも幸せ分けろ!」


「あ?澪が……?……へぇ」




不覚にもニヤリと笑うテツと目が合ってしまった。




テツはあたしと目を合わせたまま、こっちに近付いてくる。




そして自然に差し出された手。




「何、この手」


「何って、ちょーだいの手」


「な、何を?」


「何をって先輩や成宮が持ってるやつ」




こんなに反塚隊を憎んだことはない。




テツの分はまど完成してない。
だから今日ここには持ってきてない。




だからテツを遅くさせてテツがやって来る頃には、普通に部活してるという計画だったのに。




テツが予想以上に早くて、しかも反塚隊が余計なことを言うから計画は失敗に終わった。




早く~。
なんてテツは言ってるけど、あんたの分、今はここにないから。