「あ!おーい、テツ~」
反対方向から手を振ってくるのはパーマをかけたチャラい男性、その隣にはいつものポーカーフェイスの強面の男性が並んでいる。
「木嶋センパイに反塚センパイ、はよーっす」
「先輩方おはようございます」
テツは緩く手を挙げて先輩達に挨拶をする。
あたしは会いたくなかったという表情は隠して、挨拶をして頭を下げた。
この二人はテツと同じバレー部の先輩。
チャラいのが反塚先輩。
バレー部では司令塔とも言われるというセッターというポジションらしい。
そしてポーカーフェイスの強面の先輩が木嶋先輩。
バレー部の主将で、ウィングスパイカーというアタッカーでエースアタッカーらしい。
とにかく二人ともテツと並ぶくらいに長身で、見上げる度に首が疲れる。
そして出来れば会いたくなかった先輩は木嶋先輩ではなく反塚先輩の方。



