「……しつこい澪ちゃんにはこうしてやる」
「…んがっ!?」
後頭部をガッと掴まれて引き寄せられたと思ったら、顔をテツのお腹辺りに埋められてしまった。
「…んがっ、んんっむっんがっ!!」
(これじゃ、テツの顔見れない!)
必死に離れようとしてもそこは男と女。
テツの力の方が強いに決まってる。
それでもテツの照れ顔を拝むまでは!と諦めずにもがく。
テツの力が緩んだと思ったら、顔を上げる前に今度は優しく包み込まれた。
「……ありがとな」
耳元で囁かれたその言葉に動きが止まる。
それはこっちのセリフだよ。
こんなあたしを頼りにしてくれて、心強い嫁って言ってくれて、あたしの方がテツに感謝してばっかなんだから。
でもこんなこと恥ずかしくて言わないけどね。
だからその代わりに。
「どういたしまして!」
そう言って思いっきり抱き締めてやるんだ。



