澪が勢いよく店を飛び出してから、未来はふっと笑ってまたカプチーノを飲んでいた。
「……ったく澪のやつ、あんな行動派だったか?」
「まぁ、恋は盲目って言うからね」
未来はカプチーノを飲み終わると、マスターがサービスと言って淹れたてのカプチーノを運んできた。
そんな未来を見て、尋人はニヤリと笑う。
「しっかし未来ちゃんも言うようになったな~。
自分の恋愛には疎いくせに」
サービスのカプチーノを飲みながら、未来は尋人を睨んだ。
「ヒトの恋愛には興味あるけど、自分のには興味ないの。
親友が、大切な人が幸せなら私はそれでいいから」
未来は澪の幸せそうな表情を思い出し、カップの縁を親指でなぞりながら微笑んだ。
そんな未来を見て、尋人は目を細めてテーブルに頬杖をついて未来に顔を近付けた。
「いいねー、そういうの。惚れるわ」
「は?何言ってんの、チャラ男が」
未来はもう一度尋人を睨むと、冷めないうちにとカプチーノを口に運んだ。
尋人は腕を組んでため息をつくと、マスターと楽しそうに会話する未来を見つめた。
(やっぱ恋愛に疎すぎ、お前………)
尋人の恋愛は前途多難なようだ。



