「テツさん笑って言ってたよ。
『あんなに心強い嫁、どこ探してもいねーよ』って」
テツがあたしをそんな風に思っててくれたなんて知らなかった。
心強いと思ってくれてたから、今日の朝練にあたしを連れていってくれたの?
嬉しくて、嬉しすぎて涙が出そうになる。
「だから澪はテツさんの傍にいるだけで、テツさんはインハイのプレッシャーにも負けないと思う」
ニコッと微笑む未来は天から降りてきた女神様に見える。
尋人さんもコクコク頷いていた。
「それはきっと俺にも出来ねぇし、バレー部の奴らも出来ねぇ。
澪だから出来ることなんだ。
だから澪は澪の出来ることをすればいんだよ」
「あたしの……出来ること………っ!」
思いついたら動かずにはいられなくて、鞄から財布を出して千円札を思いっきりテーブルに置く。
「尋人さんごちそうさま!お釣りいらないから!」
「あ、おい、澪!?……ったく」
尋人さんの言葉を聞くことなくあたしは店を飛び出した。



