静寂な体育館に響くのはシューズが床と擦れる音と、ボールを勢いよく打ちつける音。
それとボールが体育館の床に力強く落ちていく音だけ。
「…澪、今度はちょい高めで」
「分かった」
さっきまでのふざけたテツはどこにもいなくて。
バレーをするテツは獲物を捕らえる鷹のようなそんな鋭い視線で正面を見つめ、辺りは張りつめた雰囲気が漂う。
いつどんな時もバレーだけは真剣にやってたテツ。
小学生の頃のあたしはバレーは休み時間でやるような遊びのスポーツだと思ってた。
だからテツにボール上げてって言われて、へにゃっとしたのを軽い気持ちで上げたらガチで怒られたことがある。
悔しくてテツの試合を観に行ったら、軽い気持ちでボール上げた自分を恨んだ。



