テツはあたしを見てニヤリと笑い、玄関にいるお父さんとお母さんの方を向いた。
「じゃ、澪借りてきます」
「はーい!いってらっしゃーい!」
「澪をお願いな!」
わざと繋いだ手を持ち上げて見せつけて歩き出した。
やっぱりおかしい!
かわいい娘を見送るセリフじゃないし!
テツと手を繋げたのは……嬉しいけど。
「あれ、澪ちゃん。顔赤いけど?
もしかして照れてんの?照れてるよね?」
「うるさい!
……テツと手を繋げて…う、嬉しいだけだし…!」
「……」
珍しくあたしの口から素直な言葉が出たのは、きっとそれだけテツが好きで、テツに気持ちを伝えたかったからだと思う。
今のテツはきっと繊細だからってのもあるかもしれないけど。
「…テツ?」
いきなり立ち止まったテツ。
俯く顔からはテツがどんな表情をしてるのか分からない。
顔を上げたテツの表情は今までになく気持ち悪いニヤけ顔をしていた。
「やっぱ澪の家戻って襲っていい?」
「いいわけないでしょ!!」
えー。いいじゃんかよー。
なんて駄々をこねてる大きな子供を必死に引っ張りながら学校に向かった。



