ダルそうだけど寝起きじゃなくて覚醒しきった声。
これは間違いない。
「…わざとでしょ?」
「……あり?バレた?」
顔を上げて奴を見ると、細い目をパッチリと開けてニヤリと笑っていた。
やっぱり確信犯だった。
この憎たらしい性格をしてるこいつは、幼なじみの黒岡 鉄也。
あたしは小さい頃から"テツ"と呼んでる。
テツは同じ高校に通う二年生であり、あたしの好きな人。
好きになったきっかけなんてたくさんありすぎて、話しきれない。
それくらいあたしはこいつが好きで、大好き。
素直じゃないあたしはテツに好きだなんて伝えたことはない。
だって恥ずかしいし、それに…



