こいつ、俺の嫁。




ベッドに盛り上がっている塊をユサユサと揺する。



「起きて!お母さんがご飯出来たって!」



できるだけ大きな声で、そして激しく揺すっても奴はいっこうに起きない。



こいつの寝起きの悪さは最上級。



こうなったらもっと耳元で叫んでやる。



そう決意して奴の耳元に顔を近付けて、思いっきり息を吸い込む。



「おーきー…っわ!?」



いきなり布団の中に引きずり込まれた。
奴の匂いに包まれて、鼓動が速くなる。



背中に回った奴の腕の温もりが伝わって、全身が熱くなる。



「ちょ、ちょっとテツ!?離して!てか離れろ!」


「…んー…うるせー抱き枕だと思ったらお前か…」