「そういや、澪なんで今朝起こしてくれなかったんだよ。
そのせいで俺遅刻しそうになったんだからな」
サポーターを肘にあてながらブツブツ言われる。
ちゃんと指人形を窓に投げて起こしたじゃん。
それで起きなかったのは自分がいけないんだからね。
そう答えようとする前に向坂先輩が反応した。
「え、鉄也嫁ちゃんに起こしてもらってんの!?
迷惑かけてんじゃないわよ!」
「いてっ。センパイ馬鹿力っすね」
「一言余計じゃ!」
向坂先輩はもう一度テツの頭を叩いた。
それが夫婦漫才にしか見えなくて、胸がまたチクリと痛み出す。
テツに一喝すると、向坂先輩は申し訳なさそうにあたしを見た。
「嫁ちゃん…いや、澪ちゃんほんとごめんね!
うちの主将にキツく叱ってもらうから、こいつ」
「い、いえ!いつものことなんで……」



