「やだっていつも行ってるでしょ?早く行ってこないと学校遅れるわよ!」
「…~~っ、分かったよ!行けばいんでしょ!行けば!」
座ろうとした椅子を戻して、再び階段を上がって自分の部屋に入る。
あいつのこととなるとお母さんは人使いが荒い。
絶対お父さんとのイチャイチャタイムを邪魔されたから、その仕返しだ。
部屋のベランダに出るとベランダは隣の家のベランダに通路のように繋がっていて、そこを歩いて隣の家へ入る。
このご時世に窓に鍵をかけないのはきっとあたしとこいつだけ。
「…入るよ」
ゆっくりと入ると、部屋のベッドがまだ盛り上がっていた。
朝練ないからって寝過ぎでしょ。



