奴の忘れ物を届けすぎて受付嬢には顔パスになってしまった。
またいつものように受付嬢の営業スマイルを背中で感じながら正面ロビーにいるであろう巨人を探す。
さすがは巨人だけあってその姿はすぐに見つけて、思わずその背中に声をかけた。
それをすぐに後悔することになるとは知らずに。
「あ、テツ!……っ!?」
ロビーにある大きな太い柱のせいで見えなかったものが、奴…テツに近付いたことで見えてきた。
そこにはテツだけじゃなくて何度か見たことのあるテツの同僚と、先輩らしき人達が複数いた。
やってしまった。
その人達の前でテツなんて大声で呼んでしまった。
大声で呼べば当然全員あたしを注目するわけで。
「おい来たぞ!鉄也の!」
「まじじゃん!鉄也と並べば小人みたいだな」
おい誰だ小人みたいだって言ったやつ。
あたしの身長は平均的なんだから。
こいつが異常に巨人なんだからね、そこ誤解しないで。
好奇心満載の目線があたしをジッと見てきて恥ずかしくなってテツの後ろに少しだけ隠れる。
というか鉄也のって言い方酷くない?
あたしはちゃんと………
「…センパイ。鉄也のって言い方は違うッスよ」
「違うのか?じゃあ、彼女は鉄也のなんなんだよ?」
「ちょ、ちょっとテツ……!?」



