こいつ、俺の嫁。





『……行くべきッス…』


「三輪田、くん…?」




いきなりスマホから声が聞こえたかと思えば、あたしが握り締めていたスマホはまだ三輪田くんと通話中になってた。




しかもスピーカーボタンまで押してある。
きっと未来に引っ張られた時に指が触れちゃったのかもしれない。




『…やっぱり大河には黒岡さんの隣で笑ってるのが似合う……
だから……行って……』


「おら、着いたぞ!」




三輪田くんが言い終わると同時に目的地の駅に到着した。




車のドアが開けばあたしの足は迷わずに動き出した。




「…三輪田くん、ありがとう。ごめんね」




あたしはスマホを車内に放り投げて車から飛び出した。





















澪が出ていった車内。




「…あなたはそれでよかったの?白羽根の貴公子」




未来はシートに背中を預けて天井を仰いだ。




『…白は一度黒に染まったものを白くはできない。
……最初から勝敗はついてた…ッス』




晶は独り言のように呟いては電話を切った。




未来はため息をついて窓から外を眺めた。




「…それでもあんたは澪に羽ばたくための白い羽根を与えてくれた。
……ありがとね」


「未来もキザなこと言うね~」


「う、うるさい!」




未来は顔を赤くして運転席シートを思いっきり蹴った。
それでも尋人はニヤニヤと笑って未来を見ていた。




「…にしても、お前もやるね。
最優秀主演女優賞でももらえんじゃねーの?」


「……うるさい」




未来は一瞬だけ尋人を見たが、またすぐに駅の方を見つめた。