そして未来はあたしよりも鋭い目つきで睨み返してきた。
「あんた、自分が我慢すれば全て丸く収まると思ってるんでしょ?
ただの悲劇のヒロインぶってるだけだから。
澪はいつもそうだよね。
テツさんがずっと好きでもテツさんが自分のこと好きじゃないから告白も何もしない。
テツさんに好きな人がいれば自分は身を引いて我慢する。
それって悲劇のヒロインじゃなくて、単に自分が傷つきたくないんでしょ?」
「……っ」
何も言い返せなかった。
自分ではそう思ってなくても、きっと心のどこかではそう思ってたから。
あたしが、あたしだけ我慢すれば物事は全てうまくいく。
だからあたしが我慢をすればいい、それで物事がうまくいったのはあたしが我慢したからだってどこかであたしのお陰だと思い込んでた。
そんなあたしの黒い部分を未来は意図も簡単に暴いていく。
「かっこつけないでよ!?
恋って傷ついて傷つけて積み上げていくものでしょ!?
傷つかない恋なんてないんだからビビってないで思いっきりぶつかってきなよ!
ぶつからなきゃ相手の本当の気持ちを知れないことだってあるんだから!」
"鉄也は剣ちゃんみたいに言わないと思うけど、きっと澪ちゃんが思ってること聞きたいと思ってるはずだよ。
自分の思い伝えて泣きたくなったら泣いていいんだからね?
鉄也の前でどーんと泣いて困らせてやれ!"
未来の言葉を聞いて麗さんに言われたことを思い出した。
そうだ。
麗さんもずっと我慢していたことを木嶋先輩にぶつけで木嶋先輩はそれを受け止めていた。
「……言いたいことを我慢してるって、それは相手を信じてないってことだよ。
麗さんだって木嶋先輩を信じてるから全ての思いをぶつけられたはず。
澪、あんたは誰よりもテツさんを信じてるんでしょ?」
あたしは誰よりもテツのことを信じていて、誰よりも大好きな自信がある。
……そっか。それがあれば十分じゃん。
あたしは今までなんで本音を伝えることに怖がっていたんだろう。
テツを信じてるから、大好きだからこの思い伝えられるはずだよ。



