「……そっか。教えてくれてありがとね未来」
「そっかって、早く追いかけないと……!」
未来の言葉にあたしは首を横に振った。
だってテツが行くと決めたということは、あたしの応援がなくても前に進めているということ。
最初からテツはあたしの応援なんてなくたって前を向いていた。
だからテツに伝えることはもうないんだ。
これであたしも前を向けるはず。
ううん。
テツが前を向いたんだからあたしだって前を向かないといけない。
「あー!お腹空いた!未来、どっか食べていかない?」
「……じゃ……わよ…」
「未来?……ってちょっといきなり何!?」
しばらく俯いていた未来の顔を覗き込もうとすると、未来が何かを呟いたかと思えばいきなり強く腕を掴まれてそのまま停まっていた車に連れていかれた。
未来は車の後部座席のドアを開けて、あたしを放り投げるようにして車に乗せた。
見たことのある車の持ち主は尋人さんだった。
「…尋人さん、駅まで猛スピードで」
「はいよ」
「ちょっと未来!?あたし行かないって!
尋人さんも停まってください!」
あたしの制止を尋人さんは聞こえていないかのように無視をして楽しそうに鼻唄を歌っている。
あたしは隣にいる未来を睨んだ。
「未来!ふざけないでよ!どういう……」
「それはこっちのセリフよ!!」
「……っ!」
今までこんなに怒鳴ったことのない未来の怒鳴り声に体が震えた。



