起こせと言われていたけどテツの部屋にすら行きたくなくて、今日は自分の部屋から小さい頃にテツからもらった指人形を窓に向かって投げつけた。



一回だけじゃ起きないだろうから、何個か投げてやった。
拾うのはテツがいない時でいいや。



首に絆創膏をつけてテツと被らないように学校へ向かった。



いつもより遅めに教室に着くと既に小橋くんがいて、この前のように机に伏せて寝ていた。



「…未来、おはよ」


「ん、おは……」



前を向いてスマホをいじっていた未来の背中に挨拶をする。



スマホを持ちながら後ろを向いてあたしを見た未来は、すぐに異変に気づいた。



「え、どうしたの?その首。
しかもクマもやばいよ」



トントンと自分の首を指で触れて首を傾げる。
しばらくしてから昨日夕飯をテツと食べたことを思い出したのか、ニヤリと笑った。