あれから泣き止むまで麗さんはあたしを抱き締めてくれた。
泣き止んだ時、答えは決まった。
そして帰り道。
すっかり暗くなった星空を見上げて覚悟を決める。
たしか今日は何もなかったはず。
ポケットからスマホを取り出して彼の連絡先を探して通話ボタンをタップする。
電話が繋がるまでの数分の時間が変に長く感じる。
「……もしもし」
スマホを持っていたのか1分とかからず電話が繋がる。
電話越しに伝わらないように少し大きく息を吸った。
「いきなりごめんね?今話しても平気?……三輪田くん」
「……ッス」
何度電話してても相変わらずな三輪田くんに思わず笑いそうになってしまう。
それを堪えるように唾を飲み込んだ。
「あのね?あたし決めたんだ。
だからそれを三輪田くんに聞いて欲しくて。
あたしね、テツにちゃんと応援してるよって今までありがとうって伝えようと思う」
きっとあたしは化粧がボロボロになるまで本音を言いながら泣いた麗さんみたいにはなれない。
まだテツのことが好き。
だからあたしを置いていかないで。
なんて言えたらどれだけよかっただろうか。
ずっと未練が残っていたらあたしはいつまで経っても前に進めない。
命に終わりがあるように、恋にだって終わりは必ずやってくる。
「……いいの?ほんとにそれで」
「いいんだ。さっき先輩に話してたら気持ちに整理がついたというか、スッキリしたんだよね。
あたしがテツに伝えたいことってこれだったんだって思ったんだ」
あんなに麗さんがぶつかってこいって励ましてくれた時はそうしようかと思った。
でも麗さんに話してスッキリしたら、やっぱり応援しようあたしとテツ、お互いに前に進もうって思ったんだ。



