三輪田くんは寄りかかっていたフェンスから体を起こして先を歩き出した。
どうすればいいのか分からないあたしは先を歩く三輪田くんの背中を見つめた。
数歩歩いた三輪田くんは足を止めて振り返った。
「……帰り一人かと思って待ってた。家まで送る」
「え、いいよ!一人で帰れるし……って三輪田くん!?」
あたしの言葉をヒトの話を聞かない武智先輩みたいに完全に無視してまた歩き出した。
あたしはとりあえず慌てて三輪田くんの後を追いかけた。
三輪田くんの隣に並ぶと三輪田くんはさっきよりも歩く速度を落として歩いてる。
もしかしてあたしに歩く速度を合わせてくれてる?
そして三輪田くんは電車にまで一緒に乗ってきて、本気で家まで送ってくれるらしい。
何度引き留めてもスタスタ歩く三輪田くんにもう引き留めるのを諦めてしまった。
そして家の近くにある公園のベンチに座っていると、三輪田くんが飲み物を買ってきてくれた。
お礼を言えばいつものように「……ッス」だけ言ってあたしの隣に座った。
「そういえば!関ヶ峰高校インターハイ出たんだね!
雑誌で読んだよ!三輪田くんすごい活躍してたね!」
「…そんなことない…ッス……
インハイ出ても一回戦負けだったし」
「それでも出れるだけすごいじゃん!」
「……ありがとう…ッス。
原校は惜しかったッスね」
「あー、うん。
ま、でも今までで一番上までいけたからいいかな!」
三輪田くんのッスの使い方が変なのが相変わらずでつい笑ってしまう。



