こいつ、俺の嫁。





バレたらヤバいと分かってるのに久しぶりに見たその長身の彼につい反応してしまった。




「…み、三輪田くん……?」




彼と目が合った時には時既に遅し。




「え、もしかして……大河…?」




口を慌てて押さえてももう名前を呼んじゃったし、あっちにもバレてしまった。




そしてこっちにも。




「え、え!?澪さん!?澪さんなんすか!?」


「…お久しぶりですね…武智先輩」




坊主頭がトレードマークの武智先輩はあたしの周りをグルグル回ってあたしかどうかを確かめてくる。




店にやって来たのは関ヶ峰高校バレー部の三輪田くんと武智先輩、そして原校でいう兼田先輩と同じポジションの長谷部先輩だった。




三輪田くんにまた会えて嬉しいけど、すごく複雑。




あたしは三人のテーブルに水を持っていった時にちゃんと女だけど店長に気に入られてここでバイトしていることを小声で説明した。




「いやー、知らなかったぜ!
澪さんがオネェだったなん……ぐふっ!?」


「お前ヒトの話聞いてたか?
大河さんは"女性"だけど店長に気に入られてここでバイトしているって言ってたろ…!」




武智先輩の口を長谷部先輩が慌てて手で押さえ、あたしが言ったことをもう一度武智先輩に説明してくれた。




ヒトの話聞かないしバカとかかなりたち悪いな、武智先輩。




そして長谷部先輩は変わらず兼田先輩とポジションが同じだ。




武智先輩を止める長谷部先輩はまるで成宮先輩の暴走を止める兼田先輩に見える。