ぷっ。
するとテツが吹き出して笑い始めた。
なんで笑ってるのかそれ自体分かってないあたし。
「別に何も言ってねぇけど?」
「なっ!?騙したってこと!?」
テツの相変わらずの意地悪にまんまとハマってしまった。
ほんとどうにかなんないの!?
怒ってるとテツの顔が再び距離をつめてきた。
「…んで、騙されるほど何考えてたわけ?」
「…それ、は……っ」
"都大に行こうとしてるってほんと?"
なんて素直に聞けたらいいのに。
それが聞けないから自分が嫌になる。
どんどん近付いてくるテツから離れるように後ろに下がっても、テツは構わずに近付いてくる。
背中にひんやりとした壁が当たる。
壁を見た瞬間に、テツに手をとられ指を絡めとられる。
「…言わねぇならこの固い口、ほぐしてやろうか?」
「……っ」
テツの目にはあたしの唇が映る。
これはあたしの唇を狙っているということ。
ここでキスされちゃえば言いたいこと聞きたいことが言えなくなって終わってしまう。



