「…あなたが黒岡鉄也くんね?」
「…はぁ、そうっすけど……」
しばらくして控え室で着替えを終えて出てきた鉄也に声をかけてきたのは茶髪のセミロングヘアの女性。
ヒールの音を鳴らして鉄也に近付き、その女性は鉄也に名刺を差し出した。
「いきなりごめんなさい?私はこういうものです」
「…っ!?ここって……!」
「黒岡くん、少し私と話をしない?」
「今日はテツが好きなもの作ってあげよ。
……テツまだ来ないかな……」
テツの頑張りを必ず見てくれている人がいる。
そのあたしの願いは嵐のように突然あたしを襲ってくることを、今のあたしはまだ知らずにいた。



