試合終了のホイッスルが鳴り響く。
2-0。
インターハイへの切符はテツ達の手をすり抜けて相手校へと渡っていった。
あたしはすぐに客席を立ち上がった。
「…未来、先に帰ってていいから」
「え、ちょっと澪!?……全く、相変わらず頭の中はテツさんでいっぱいなんだから」
足は迷わず原高校の控え室へと向かう。
すると反対側から歩いてきたのは悔しそうに俯く成宮先輩を支えている兼田先輩だった。
「兼田先輩……お疲れさまでした」
「大河…応援ありがとな。鉄也なら顔を洗いに行った」
「……ありがとうございます」
そう言いながら兼田先輩からテツのタオルを渡された。
それを受け取り兼田先輩に軽くお辞儀をすると、先輩達の横を通る。
通り過ぎる前にあたしは俯いたままの成宮先輩の肩に手を置いた。
「…成宮先輩の力強いスパイク、かっこよかったです」
「みおちゃーん!だぎしめざぜでーー!」
「成宮、鼻水出てる。汚い」
号泣してる成宮先輩を無視して走って会場の外の水道に向かう。
悔しくてもケロッとしてそうな成宮先輩が悔しそうに泣いていた。
兼田先輩は表には出してはないけど、いつもより辛そうな顔をしていた。
あの二人があんなに悔しがっているのに、テツが平気でいられるはずがない。
水道に行くと頭から水を被っているテツがいた。



