するとポケットに入れていたスマホが震えた。
取り出すと兼田先輩からの着信だった。
「もしもし。
……あ、行きます!分かりました!これで正面玄関向かいます!」
内容はテツをこれで病院に連れていくというものだった。
立ち上がってあたしは林部さんに手を差しのべた。
「林部さんこれでテツが病院に行くらしい。
そろそろ練習も再開するだろうし戻ろっか」
「……で……です」
「え?何か言った?」
俯いていて林部さんがなんて言ったのか分からなかった。
聞き返すと林部さんはあたしの手をとって勢いよく立ち上がった。
「桃子でいいですって言ったんです!
も、何度も言わせないでくださいよ澪センパイ!」
林部さんの頬はわずかに赤くなっていた。
でもいつも通りの口調で先に走っていく林部さん……桃子ちゃんを見て安心した。
その夜。テツの部屋にて。
「今回は軽症で済んで大会にも出れるからよかったものの、酷くなってたらって考えなかったの?テツさん」
「…いやー、練習に必死で…そのー…」
「言い訳無用!
いい!?次なんかあったらすぐ誰かに言うんだよ!?分かった!?」
「……はい。すんません」
テツの部屋で反省会をしてます。
あれから病院に行って診てもらったら軽症だったみたいで、数日部活を控えて痛みと赤いのが治まればまた再開してもいいと話があった。
兼田先輩にもかなり怒られたみたいで、桃子ちゃんとの話が終わって正面玄関に行くと背中を丸くして落ち込んでるテツがいた。



