「見せないなら…あんたの嫁やめるよ!?」
意外と体育館が響いたのが恥ずかしかったけど、今は恥ずかしがってるどころじゃなかった。
これはテツの選手生命がかかってるんだから。
この脅しが効いて、舌打ちしながらもテツはTシャツを脱いで肩を見せてくれた。
あたしはすぐに成宮先輩や小橋くんに指示を出してはテツに怒って若干赤くなってるテツの肩に冷却スプレーを吹きかける。
兼田先輩に何故分かったか聞かれて思ったことを答えたら、兼田先輩の隣にいた林部さんは眉間にシワを寄せて俯いた。
「大河さん!先生連れてきたよ!」
「黒岡くん肩痛めたって聞いたけど…」
「先生ここです!ここが……」
状況を保健の先生に説明しようと先生の方を見ると、先生の横をすれ違うように林部さんは体育館を出ていった。
林部さん…
あたしは林部さんに言いたいことがあるんだった。
林部さんのあとを追いかけたいけど、先生に状況を言わないといけないしどうしよう……
「…いいよ、ここは俺が説明しとくから」
「…っ…兼田先輩……!」
あたしから冷却スプレーを受け取った兼田先輩は全て分かってるかのように微笑んでいる。
あたしは兼田先輩の厚意に甘えて、林部さんのあとを追いかけた。



