なんで…なんで私達には気付かなかったことを素人のセンパイが分かったの?
意味が分からなくて、納得できなくて体が動かない。
そんな私のところに兼田センパイがやってきた。
「大河!なんで鉄也が肩痛めてるって分かったんだ?」
わざと私に答えを聞かせるように澪センパイに聞いてる。
センパイは一瞬だけ私と兼田センパイを見てからすぐに鉄也センパイの肩に視線を戻した。
「…スパイクを打つ時の打点がいつもより低かったんです。
しかもスパイクの威力もあんまなかったですし。
だからどこか痛めてるんじゃないかって。
打点が低かったから、もしかして肩痛めてるんじゃないかと思って」
私は鉄也センパイのスパイクを何回見てもその違和感に気付かなかった。
でも澪センパイはその違和感にたった一回のスパイクで気付いた。
これで白黒ハッキリしてしまった。
私は澪センパイにはどれだけ頑張っても敵わないと。
「…だから言っただろ?
大河をなめすぎだって」
「……っ」
悔しくて、でも正論過ぎて何も言えなくて。
兼田センパイの勝ち誇ったような顔が異様にムカついて私は体育館を飛び出した。
【side end】



