でもバレーなんか大嫌い、なんて思えなかった。
「華麗なジャンプでスパイクを決めたのは原高校の黒鉄の王様、黒岡鉄也選手です。
彼は今当県で注目されている選手でもあります」
鉄也センパイのスパイクを見たらやっぱりバレーが大好きで。
鉄也センパイと一緒にバレーが出来なくても、鉄也センパイの近くでサポートしたい。
私の代わりになって鉄也センパイにたくさん跳んでスパイクを打って欲しい。
そう思えば進路で悩んでいた私の第一志望校は原高校になった。
「……べ……や…べ………林部さん!」
「……え?」
我に返ると目の前には成宮センパイがいた。
「え?じゃなくて!
何回も声かけても反応ないから心配したよ?…大丈夫?」
「あ、はい。ちょっと前のこと思い出してただけなんで大丈夫です」
成宮センパイを見てからすぐに練習風景へと視線を戻す。
丁度鉄也センパイがスパイクの練習をしていた。
マネージャーになって鉄也センパイのスパイクを間近で見られるようになってすごく嬉しい。
でも最近鉄也センパイのスパイクに違和感がある。
何も変わりないはずなのに、私が憧れたのと何かが違う気がする。



