「あれ?テツ…っ」
「…お前さ、」
すぐ近くからテツの声が聞こえた。
声の方を向く前に背後から顔を覗き込まれた。
「…お前、あいつのこと好きなの?」
「っ!?」
いつの間にかテツはあたしの隣にいた。
驚いて反射的に体を後ろに引く。
テツの目はいつもの笑った目じゃなくて、真剣なそれでいてどこか怒ったような目つきをしている。
あたしが体を後ろに引いた分の距離を詰めてくるテツ。
「んで?どうなの?
あいつのこと好きなの?好きじゃないの?」
「す、好きとかじゃなくて……っ!?」
なんでこんなところにマットなんか引いたんだお母さん。
後ずさるとキッチンの床に敷かれたマットに足を滑らせて尻餅を着いてしまった。
ドジだなー。
と言って立ち上がらせてくれることもなく、テツは更にあたしへと近付く。



