それを聞いた林部さんは何故か目を丸くして固まっている。
「…て……な………ですか」
「え?何か言った…?」
林部さんの口が動いたのは分かったけど、何を言ったのか聞き取れなかった。
咄嗟に聞き返すと林部さんは俯いていた顔を上げて、あたしをいつもの笑顔とは違い鋭い目つきで睨んできた。
「聞こえませんでした?
なんでそんな人が鉄也センパイの彼女なんですかって言ったんです」
「え、……」
いつもの明るい声じゃない低い声。
そして冷たい態度の林部さんに驚いて言葉が出てこない。
あたしが何も言わないことをいいことに林部さんは話を続ける。
「バレーのルールも知らないし、バレーの経験もない。
"黒鉄の王様"の彼女がド素人だなんて呆れますね。
鉄也センパイが熱心に打ち込んでるバレーを少しは知ろうとかやってみようとか思わないんですか…!?」
「…思わないことはなかったけど…あたし運動苦手だしさ」
テツにも「運動音痴の澪ちゃんにバレーは無理だな」と何度バカにされたことか。
苦笑いしながら言えば林部さんが握っていた手に更に力を込めたのが分かった。



