「えーっと…忘れ物を届けにですね…」
「あ、なるほど…」
誰に届けに来たかを言わずとも小橋くんは察してくれて苦笑いを浮かべた。
「にしても久しぶりに小橋くんと話した気がする!
元気だった?部活は順調?」
「そうだね!クラス違くなっちゃったからね!
部活はインハイ予選に向けて相変わらずキツいけど、頑張ってるよ!」
「そうだよね。今が書き入れ時だもんね。
小橋くんも試合出るんだよね?あまり力入れすぎて怪我しないでね」
「あ、ありがとう…!」
久しぶりに話したせいか小橋くんと他愛もない話をしては盛り上がる。
「………」
林部さんがじっとこっちを見ていることも気付かずに。
「へぇ、今年の部長は兼田先輩なんだ!
……まぁ他にできそうな3年生いないもんね」
「…あはは…」
「兼田先輩すごく周りのことに気が利くんですよ!
マネージャーの私にも気を配ってくれてすごく助かってます!」
「そうなんだ!兼田先輩いい人だよね」
あたしも実際にテツのことで相談にたくさん乗ってもらってたし。
3人で話ながら体育館に入るとこっちに向かって駆けてくるのシューズの音が聞こえた。
その音を聞いて自然とあたしの体には力が入る。



