体育館に来たはいいものの……
「やっぱり入りづらい……」
木嶋先輩たちがいたときとは違ってバレー部は新入生も入って新体制になってる。
そこにこんな他人同然の女子生徒が乗り込んでくると、確実に視線があたしに向く。
そんなの恥ずかしすぎる…!
体育館の周辺をウロウロさ迷っていると、部員全員分のドリンクを詰めたカゴを両手に持つ女子の姿が見えた。
あれはマネージャーの林部さん?
確かテツに憧れてバレー始めたんだよね。
にしても重そう。
そう思えばすぐに体が動き出していた。
「あの…手伝いましょうか?」
「…え?」
1つに縛ったココア色の髪が後ろを振り返ることで風に揺れる。
二重の大きな目が真っ直ぐにあたしを見つめる。
勝手に体が動き出したあたしとは対照的に、体の動きを止めて目を大きくしてあたしを見つめる林部さん。
もしかしていきなり声かけてしかも手伝うなんて言って怪しまれてる…!?
しかも見ず知らずの人に名前呼ばれたから余計怪しく見られてるよね!?
「え、や、怪しいものではなくてですね!?
バレー部にちょっとした知り合いがいて!
そいつ…じゃなくてその人に忘れ物を届けにいこうとしてて…そしたら重そうなのを持ってるあなたを見かけて……その…」
あれ、なんであたしこんなに弁解してんの?
これじゃ逆に怪しまれないか?



