寂しくないと言えば嘘になる。




ほんとはテツともっと話をしたい。
今日は未来とこんな話をしたよとか、メイリンさんが相変わらず美しすぎたとか、話したいことは山ほどある。




顔だってちゃんと見て話したいし、テツに触れたいとも思う。




でもあたしには…




左手首についたブレスレットを触る。




「あたしにはこれがあるので、これがあるからテツが近くにいる感じがして…テツにあまり会えなくても頑張れるんです」




テツだって今は勝負の時なんだから、邪魔しちゃいけないですし。




そう言って顔を上げると間近でユキさんが目を潤ませてあたしを見ていた。




びっくりして反射的に体を後ろに引こうとする前に、あたしの体はユキさんの腕の中に捕らえられた。




「みーちゃんいい子すぎる~!もうアタシの嫁になってぇ~!」


「……え、それは……」


「…ユキ。みーちゃん、ガチで引いてるわよ?」




この人達と働いてるとテツと会えない寂しさを埋めてくれるから頑張れるという理由もあるけど、それを言えば更にユキさんが抱きついてきそうだから胸の中に留めておく。




残りの休憩時間はユキさんの新しい恋人の話やメイリンさんの恋愛事情などを聞いてエリスさんとミオさんと交代になった。