嬉しいという感情が溢れて、涙となって流れ落ちる。
でも流れ落ちる前にテツに見られまいとテツから顔を逸らす。
でも、
「おい。逸らすなよ」
「……っ!」
頬をテツの両手に包まれて、顔を強制的にテツの方へと向けられる。
その反動で堪えていた涙が一筋頬を伝って、テツの手を伝った。
すぐ目の前には夕日に照らされていつもより色気のあるテツの顔がある。
「言ったろ?俺のことだけ考えてろって。
だから…俺だけ見てろよ。他のとこなんて見んな」
「ん、……っ」
テツは有無を言わさずあたしの唇を強引に奪っていく。
キスをしてる間もずっと目を開けてあたしを見てくるから、恥ずかしくてつい目を閉じる。
「…ん、…おい…目、閉じんな…開けろ」
「そんな、の……っ…無理だっ……て……っ」
テツの甘いキスに全身は痺れて力が抜けていくのに、瞼だけは力が入って開こうとはしない。
テツの顔見ながらキスなんて……無理!
いきなりのキスだったからあたしは知らなかった。
観覧車が頂上に来た瞬間から降りてくるまでキスをしていたことを。