"チェックメイトなんて生易しいもんじゃねーよ。
言うなら王の鉄槌だな"
「テツ!行け……っ!」
ジャストのタイミングでテツが跳んで、ボールはテツの手に収まる。
遅く跳んだ三輪田くんの手をすり抜けてボールはコート上に音をたてて落ちる。
そのボールの勢いはテツのネーミングセンスのない"王の鉄槌"というには相応しいほど。
一瞬の沈黙の後、試合終了のホイッスルが鳴り響く。
その後に訪れる沸き上がるような歓声。
勝った…の?関ヶ峰にテツ達が…勝った…
歓声が遠くに聞こえる。
テツが先輩達にもみくちゃにされてる光景も何だか信じられなくて。
「勝った!澪、勝ったよ!
やったよ!…って澪?泣いてんの?」
「え、だって……」
テツの努力が今まで何度も何度も練習してきたことがここでやっと報われた気がして。
そんなテツを信じて見守ってきて良かった。
そう思ったら知らぬ間に感情が目から溢れてた。
周りの歓声に合わせて騒いで喜ぶべきなんだろうけど、あたしは泣いて喜ぶことしかできなくて。
テツの笑顔を見ながらただ溢れる涙を拭った。



