「なになに?襲われると思った?
澪ちゃんのご希望とあらば襲うけど?」
「ご希望ではございません!
貼り直してあげるから早く前向いてよ!」
あたしの方を向いてニヤニヤ笑ってくるものだから押し出すように強制的に前を向かせた。
練習で汗をかいてるせいかテーピングが少し剥がれてる。
…というか肩にこんなテーピング巻くほどになるまで練習したの?
誰よりも早く来て練習して、誰よりも遅くまで残って練習をしていたテツ。
このまま怪我とかしないといいけど。
「ねぇ、テツ。無理はしな…わっ!」
無理はしないで。
そう言う前に腕を掴まれてそのまま前に引かれた。
あたしが後ろからテツを抱き締めてる格好になってしまった。
ちょ、試合前に何するの!
なんてことは言えなかった。
だってあたしの手首を掴むテツの手がわずかに震えていたから。



