春高当日。
「……うわぁ、これはすごい人だねー……って澪さん?なんであなたがそんな緊張してるの?」
「だ、だ、だって……」
確かに未来の言う通りだけども。
あたしが試合に出る訳じゃないから緊張する理由がないのだけども。
これからテツが戦うのはあの関ヶ峰。
客席には関ヶ原の戦いを、そして"黒鉄の王様"ことテツと"白羽根の貴公子"こと三輪田くんを一目見ようとたくさんの人が集まってる。
「テツ大丈夫かな!?この人の多さに緊張してミスしたりしないかな!?」
「授業参観で緊張してボールに躓いて転ぶ澪じゃないんだから。
ほら、テツさん練習してるよ」
未来に手を引かれて観に行けば、テツはいつもの調子で練習をしていた。
良かった。大丈夫そうだ。
そして反対側のコートでは関ヶ原高校が練習をしていた。
部長の羽山先輩に紳士の古場先輩。
「…あ!澪さん!澪さーん!!」
「澪、あんたにめっちゃ手振ってる人いるけど…知り合い?」
「あの坊主頭…武智先輩だ…」
なりふり構わず大きく手を振ってくる関ヶ原の坊主頭、武智先輩。
ほんとにやめてください。
みんなこっち見てるんで。
苦笑いしながら手を振ってれば、三輪田くんもあたしに気付いて軽くお辞儀をしてくれた。
あたしも釣られるように軽く頭を下げて挨拶をした。



