年末の恋人達のビックイベントであるクリスマスも、あたしとテツの家族を交えてのクリスマスパーティーだった。




それが終わってからテツと密かに作っておいたケーキを食べたけども。




クリスマスといい、今回の初詣といい、あたしとテツはロマンチックとは程遠い恋人となってる気がする。




一緒にいられる時間が長いのはいいけど、もう少し恋人らしいことしてもいいと思うんだけどな。




なんて考えながら新年最初のため息をついた。




「…う、さむ……」




山の上にある神社に到着すると、歩いてきて汗をかいてるとはいえ時期は冬。




冷えた汗が寒さを助長する。
きっと先に着いてるみんなはお参りしてるんだろうな。




なんて思いながら冷えきった手に息を吐くと、肩に温もりが乗っかった。
肩に乗っかったものからはいつも隣にいる奴の匂いがした。




「やっと来やがった」


「…テツ?」




声のした方を向けば、そこには待ちくたびれたとばかりに怠そうに肩を回すテツがいた。




他の部員を見ると、みんな参拝してるのになんでテツだけここにいるんだろう。