テツが何も言わずに指を差したのは部屋にある時計。
時刻は既に夜の12時を過ぎていた。
「…あの時間を過ぎて思うことは?」
「思うこと?………えー、日付が変わっ……た…」
日付が変わった。
それはテツの誕生日の次の日になったという意味で。
その意味に気付いたあたしはテツを見ずにはいられなかった。
どれだけ堪えても嬉し涙は溢れて、あたしの頬を濡らす。
「……あたしの…誕生日……っ?」
「せーかい」
テツの誕生日を盛り上げようとして、自分の誕生日の存在をすっかり忘れてた。
あたしとテツは一日違いで産まれてきた。
だから小さい頃テツは誕生日が来る度に、一日だけあたしよりお兄ちゃんだと言っては威張ってたな。
毎年お互いの家族と一緒にお祝いをして、テツの誕生日の日にあたしの誕生日のお祝いも一緒にされたから、あたしはついでな感じがして嫌がってたんだっけ。



