逃げる間もなく首に何かをつけられる。
ほんとに首輪持ってんの!?
「…ほら、似合ってる」
「これ、って………」
どうするべきなのか分からず、慌てているとテツはいつの間にかあたしの机にあった鏡を前に出してあたしの首元を映した。
首元にあるのは首輪ではなく、ピンクゴールドのネックレスだった。
ネックレスにはピンクのハートがついている。
しかもこれあたしが好きなブランドのネックレスの最新作。
このブランドのアクセサリーは高校生のあたしには手が出せない値段で、雑誌を見ては「大人になったら絶対買う!」と言って楽しみにしてた。
その度にテツは「大人になれるの?澪ちゃんが?」と言ってからかってきたけど、ちゃんと覚えててくれたんだ。
でも……
「なんでこれをあたしに?」
特別な記念日でもないし、ましてや今日はテツの誕生日。
本当はテツがプレゼントをもらう側なのに、なんでテツが贈る側になってるのかが分からない。



