声のする方を見上げるとクールな瞳と目が合った。
クールな瞳とは対照的に額や首筋には汗をかいている。
この人は2年の兼田先輩。
みんなからは"兼ちゃん"なんて呼ばれてる。
テツ曰く"俺の相棒"らしい。
兼田先輩は一見怖そうに見えるけど、バレー部で唯一あたしのことをフォローしてくれる優しい先輩。
たまにテツのことも相談に乗ってくれる。
「あ、えっとですね……て、テツに用があったんですけど…声かけようかどうしようかと」
「鉄也?声かければ……あぁ、そういうことか」
兼田先輩はあたしが曖昧な返事をしても、テツの状況を見てすぐに理解してくれた。
「見た感じだとただ雑談してるだけだから、気にしなくていいと思うよ。
それでも気になるなら俺が鉄也に言っとくから」
「あ、ありがとうございます…!
でも兼田先輩のお言葉で大分軽くなったので大丈夫です!」
そう、よかった。
兼田先輩はそう言って優しくあたしの頭の上に手を置いて撫でてくれた。
なんだかお兄ちゃんみたいな感じだな、兼田先輩って。
兼田先輩のお陰で声かける勇気が出てきた!
よし!テツに声かけて帰る!



