テツの顔が見れたのは嬉しい。
熱も大分下がった感じするし、テツへのプレゼントをあげるチャンス。
でもそれをやってテツに風邪をうつしてしまったら、春高予選に響いてしまう。
テツは大事なエースなんだから、こんなところで体調を悪くしてほしくない。
それもあるけど、何よりもテツに向ける顔がない。
"「今までの誕生日の中で一番楽しみだわ」"
昨日そう言ってくれたのに、あたしの体調管理不足で今日を台無しにしてしまった。
思わずテツに背を向ける。
「…まだ治ってないし……テツにうつしても悪いから。
あたしなら大丈夫だから……カットフルーツは置いてって…」
さりげなくカットフルーツを確保して、テツを追い出す。
ベッドが音をたてて軽くなる。
テツが立ち上がったんだと分かって、素直に帰ってくれると思った。
なのに。
「…うっ、テツさん…?重い、重いです…テツさん」
次にはテツがあたしに全体重をかけて寄りかかってきた。



