「…っ!な、なんで……っ」
「…あ、起きた?風邪引き澪ちゃん?」
ベッドの縁に腰かけてあたしの頭を撫でていたのは紛れもなくテツだった。
いつものニヤリ顔であたしの顔を覗き込むテツは夢じゃなくて。
お母さんがテツに会うの禁止令を出していたから、そう簡単に家にあげないはずなのに……
「おじさんから連絡あって、『お母さんは私が引き付けておくから、澪を看てやってくれ』ってさ」
テツはお父さんとのやりとりをあたしに見せる。
いつの間にあたしのお父さんとLINEの友達になってたわけ?
てかお父さんのスタンプの趣味が相変わらず悪すぎる。
「なんか食うか?
風邪引いた時はいつも果物なら食えてたから、カットフルーツ買ってきたけど…」
「…帰っ、て……」
「…は?」
"てっちゃんに移ったらどうするの!?
てっちゃんもうすぐ春高予選なんだから"
朝お母さんが言った言葉を思い出して、つい冷たく言ってしまった。



